俺と貴女を繋ぐ場所




「ヒャッ!」

俺の声に驚いたのか変な声を上げるその子は、反射的に手で頭を抱えてしゃがみ込んでしまった。
(急に話し掛けるのはマズかったか?)


「…ぁれ?」
恐る恐る顔を上げてこちらを見る姿はまるで小動物のようで、つい凝視してしまった。


「あ、、ごめんなさい…。き、旧館は…ここです…。」
身長差のせいで上目遣いになってしまい、しかも涙目になっている目の前の女子。

(か、可愛い…。)


俺は照れ隠しで何も言わず館内の本を見ながら歩き出した。




< 8 / 54 >

この作品をシェア

pagetop