ショコラティエの恋人


「自己紹介もまだだったのよねぇ。わたしったら可愛らしいお客さんがいらしたから舞い上がっちゃって。うふふ」


女性は楽しそうに笑った。


「わたしは藤岡葉子といいます。ボランティアで高卒認定資格のお勉強のお手伝いをしているの。よろしくお願いしますね。」


「こちらこそ。私は立花真人といいます。職業はショコラティエで、順と一緒に働いています。隣が恋人の白木ほのかです。今は二十歳で、家事を頑張ってくれています。」


ほのかはぺこりと頭を下げた。


「実はほのかは今高卒認定資格を取ろうとしていて、勉強を教えてくださる方を探しているんです。それで、順に聞いたら、藤岡さんに連絡を取ってくれて。」


「まあ!そうなのね!嬉しいわぁ。最近ずっと男の子ばかり教えていたから女学生さんは珍しいのよ。ほのかさんが良ければ、是非わたしと一緒に頑張りましょう。」


ほのかは嬉しそうにふんわり笑った。


「…あ、の、よろしく、お願いします。」


聞こえるか聞こえないかの小さい声だったが、藤岡さんはほのかのその言葉を広いとってくれてほのかに微笑んでくれた。

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