小話帳
涙
「うぐ…ぇぐ…」
バカみたいに泣きじゃくる。静かな放課後の保健室、鼻をすする音と嗚咽が漏れないようにぐっと枕に顔を埋めた。
泣いている理由を答えれば10人中8人はバカだと答え、2人位は同情してくれるのだろう。
でも私には大きなショックだったのだ。顔がぐちゃぐちゃになるくらいにショックだったんだ。
放課後の保健室、ベッドを占領できるのは保険委員で今日が当番の人の特権だろう。
あとはただ、誰も来ないことを祈るだけ
いつもなら誰も来ない保健室。だが、今日は来てしまった。しかも一番会いたくないやつに
ガラガラ
「…あれ、保険委員いない」
響く声、思わず答えそうになるけれど、顔を見られて理由を聞かれて嘘をつける自信がない。空気になれ自分
「今日は確か、アイツのはずだったけど…」
足はまっすぐと私の眠るベットに近づく。あーぁ、もう本当に嫌だ
シャッ
カーテンを勢いよくあけられる。顔をあげないようにしなくちゃ
「職権濫用、職務放棄はんたーい」
その声にも反応しないように枕に強く埋める。過呼吸気味で少々辛い
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