小話帳

愛しき人の、腕の中で
















こんなはずじゃ、なかった










その言葉で全てが済ませられたらどれほどよいだろう。








でも、本当に、こんなはずじゃなかったんだ










内部の動きを探り、あわよくば将軍の首をとれ









私らにかせられた密命。でも、私たちはこの城のとある人たちに恋慕した。恋仲を望むわけではなかった、だって私たちは裏切り者








ごめんね、もう少しましな形で出会いたかった










「待て!!」









私を追いかけてくれているのは私の好きなひと











よかった。そこまで親しくない方と戦うのはイヤだったから…










私はその場に止まる。そして、殺気を出して彼の方を向いた。











「…**…ッ」

「…ごめんね、__君。」










殺気は引っ込ませない。だって、今殺気を引っ込ませたら、私、











「…最後の、最後の会瀬だね」








おちゃらけると、鞘から刀を抜いた彼は悔しそうに顔を歪めた。











「お前、は…ッ」











貴方は誰よりも真面目な人だから、きっと悔しいのよね。裏切り者と見抜けなかったことが
























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