parallel
 


停留所を目掛けて、バスがゆっくりと停まる。



「じゃあ、もう俺降りるから」



暫く話には参加してなかった彼が、私をチラっと見てから男に告げた。

パッと表示を見れば、もういつも彼の降りる場所で。


彼がバスの降りる所でお金を払っている後ろ姿が目に映る。

彼は振り返り、"じゃあな!"と手を振ると降りてしまった。



余韻が残る。

恥ずかしいことに抱きついてしまった。

でもそのお陰で、彼に話しかけてもらえた。


もし男がぶつかってこなかったら、"大丈夫?"て聞かれることはなかったんだ。


やっぱり訂正。

今日は私ツイてるみたい。




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