parallel
「ちょっと待って、え!どういうこと!」
さっきまでは私と日向しかいなかった教室に、どんどん人が入ってきた。
心臓が弾むように音を奏でる。
「今日お祖母ちゃんの家に泊まってて、たまたま茅依が言う"彼の降りるバス停"の近くを通ったわけ。そしたら黒いブレザーで髪形も顔の雰囲気もその彼に似てる人を見つけたの!あの制服は多分十河高校じゃないかなーって!」
十河高校……
県内では頭のいい公立高校上位10には入るほどのすごい高校。
確かによく考えてみれば、あの停留所の近くにある高校は十河だけ。
「日向ありがとーっ!」
「いや全然!」
"お祖母ちゃん家泊まっててよかったわ"なんて笑いながら言う日向。
やばい。
やっと彼の高校が知れた嬉しさに今溺れそうです。