parallel
今にも雪が降り出しそうなほど暗い朝。
ひゅうっと冷たい風が吹き、私は思わず肩をすくめた。
目の前の道路を通り過ぎていく車を見ながら、いつもよりも遅れているバスを待つ。
今日はやけに遅い。
こんなに寒い日に限って遅いなんて。
彼にも早く、会いたいのに。
昨日のあの出来事があってから初めて会う今日。
昨日いた拓馬はいないし、別に昨日ああなったから何かあるってわけじゃないんだけど。
それでも何故かいつもより彼に会うのが楽しみになっている。
あ、来た。
いつも来る方を見据えれば、信号を曲がってくるバスが見えた。
雪も降ってないのに遅れるなんて珍しい。
どんどん近くなってくるバスに緊張を覚える。