parallel
「あの、」
ちょこんと肩を叩かれた。
え、何!
突然触れられた肩が反応してビクッとなる。
私は今まで外に向けていた視線を声のするほうに向けた。
「昨日の子だよね?」
そこにいたのは、片耳からイヤホンを外して少し微笑んでいる彼。
"あ、はいっ"とちょっと弾んだ言葉が口から出てきた。
何で?どうして?
あの彼が私に話しかけてくれてる。
「……てか、よくこのバスに乗ってたよね?俺もこのバスいつも使ってるんだ」
"気付いてた?"なんて可愛らしく微笑みながら言う彼はとても魅力的で。
改めてドキドキ感が増し、目を見るのさえ出来なくなる。
勿論気付いてました。
いやむしろ毎日見てました。
そんなことは口が裂けても言えない。