parallel
イタズラされちゃったようです
「ねえ、ねえってば」
「うっせえな、もう関わってくんなっつったろ」
「あの時のことは謝るからっ」
降り積もった雪が太陽の光に当たり、キラキラと光る。
普段よりは少し気温が高く、気持ちの良い朝。
そんな中、修羅場に遭遇しちゃいました。
声が段々と近づいてくる様子から、こちらに向かってくるということは分かった。
ついつい喧嘩中であろう2人を見てしまいそうになるけど私は必死に見ないようにする。
目の前にあるバス停の時間を見てみたり、前の道路を走る車に目を向けてみたり。
気にしないようにするけど、音だけは耳に入ってきて。
「お前もう行けよ、俺バス来るから」
「やだっ」
え、ちょっと待ってバス?
気なく辺りを見回すけど、バス停だと確信できるものはただ1つ。
私の目の前に堂々と立っているこいつだけ。