parallel
男が少し後ろの方でその彼女と思われる人に、早く学校に行くよう必死に説得している声が聞こえる。
なんか話を聞けば彼女のほうが悪いようで。
"じゃあな"なんて終わりの合図が聞こえてくると、何やら彼女の方が走ってその場を立ち去った様子が伺えた。
別れたのか。
こんなにいい朝なのに、縁起が悪い。
"はぁ~"なんて大きな溜め息が私の耳を掠った。
「朝から気分悪くなるわ」
まるで私の心の言葉をそのまま言ったように、残った男は呟いた。
勿論私の隣で、私と同じようにバスを待ちながら。