parallel
 



男が少し後ろの方でその彼女と思われる人に、早く学校に行くよう必死に説得している声が聞こえる。

なんか話を聞けば彼女のほうが悪いようで。

"じゃあな"なんて終わりの合図が聞こえてくると、何やら彼女の方が走ってその場を立ち去った様子が伺えた。



別れたのか。

こんなにいい朝なのに、縁起が悪い。


"はぁ~"なんて大きな溜め息が私の耳を掠った。



「朝から気分悪くなるわ」



まるで私の心の言葉をそのまま言ったように、残った男は呟いた。

勿論私の隣で、私と同じようにバスを待ちながら。


 
 
< 4 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop