parallel
 


気分悪くなんのはこっちの台詞だ。

朝から修羅場見せられて、しまいには残った男とは同じバス停で。

今日はなんか運があまりよろしくないみたい。



「あ、バス来た」



男の発言に反応して道路の奥まで見てみると、確かにバスが見えた。


独り言激しいなこの男……。

そんなことを思いながら初めて男を視界に入れる。


赤毛のふんわりパーマで背が高く、思った通りかっこよさそうな顔立ちはしていて。


朝から女振るんだもの。

そりゃあモテそうな顔してるわな。


でもただ、1つ気になるのは――


私と同じ紺のブレザーであること。



 
 
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