色彩



「ただいまぁ」


「おかえりなさい。
夕御飯もう少しで出来るから待ってなさい」



キッチンからお母さんの声が響いた。


…この匂いは、煮物か何かだろうか。

醤油の匂いが漂っていた。




ギィッ...


ゆっくりリビングの扉を開ける。

すぐに、やけに大きい声が返ってくる。



「あー美都、おかえりぃ」



…お姉ちゃんだ。


テレビを付けて、ヘッドフォンで音楽を聴いている。

何でこの人は、やりたい事を一つに絞れなんだろう。



一拍置いて返事をした。


「…ただいま。」
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