2時頃

“ カチャリ ”


鍵を開ける音がした


ビー…
ビリッビリッ…

シャキ…
ベタベタ…



変な音が玄関に響く


「やだ……」


あたしは部屋の隅に居た


ヒタ…
ヒタ…


廊下を誰かが歩いて来る


ギィ―――…


リビングの
扉がゆっくり開く


「……ごくり…」


あたしの身体を
唾を飲む音が支配した



「…えッ?」

「ちょっと……貴方」


良く来るあの変な客


「ふふ…」


不敵な気味悪い笑み…


彼女は
手に沢山のカミソリを
握っていた


ヒタ…
ヒタ…


「…やだ来ないで……!」


「ふふふふ…」


バキバキ…


素手で彼女は
カミソリを何本も
折った…


ポタポタ…


彼女の白い肌を
赤がつつむ


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