同じ空で逢えるまで
 小さい頃に聞いた事がある。

 物ごころがついていない歳だった。

 特に何も考えずに発した言葉。



「ねぇママ」

「どうしたの?」

 母は優しい顔で返事をした。


「どうして私の目は青いの?」


 先ほどまでの顔から一変、母の顔が凍りついた。

 幼な心にはっきりと覚えている。

 その時の母の表情を。

 とても…怯えていた。

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