同じ空で逢えるまで
 購買で、いつものメロンパンを買って屋上へ向かった。



 ぎぃぃぃぃぃ。


 大きな音をたてて屋上の扉を開いた。

 ここは立てつけが悪いから立ち入り禁止の場所になっている。



 だからこそ、一人になりたいときには絶好の場所なのだ。




 私は日向に腰を落とし、ポケットからデジカメを取り出した。


 空に向かってシャッターを切る。


 屋上に来たら必ずと言っていいほどする、いわば習慣のようなものだ。

 いつからだろう…


 空を撮るのが癖になっていた。


 毎日表情を変える空。

 ずーっと見ていても全然苦にならない。


「はぁ…キレイだなぁ…」


 無意識に声を漏らしてしまうほど、今日の空は綺麗だ。


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