あすなろラプソディー
モモは偶然なことに中1から同じクラス。

とても気が強いけど、サバサバしていて思いやりがある女の子だ。


「まぁあんまり気にすんな!

 飯島も起こしてやらないなんて悪だね」


そういってモモは私の後ろを見て笑った。

そうだ、次のクラスは飯島が一緒だった。

顔を上げて振り返ると、冷たい目のヤツは私を見て肩をすくめる。


「何で俺が椿の世話をしなきゃいけないんだよ。」

「勝手に椿と呼ぶなー!」

「あ?だって呼びにくいだろ。同じ名字なんだから」


相変わらずの口調にがっくりきちゃう。

私やモモの言う「飯島」こと飯島葉月。

やつはこの学年のもう一人の飯島。

飯島って珍しい名字だと思っていた私には、中1の時同じクラスになったコイツがかなりの衝撃だった。

性格はよく言えばクール。悪く言えば冷たい。

たしか中等部のときはバスケ部に入っていた気がする。
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