ワタシの執事サマ
「良かったですねアヤコ様」

いつの間にか横に来ていた
秀二が温かな笑みで私を見つめる

私はまだ止まらない
涙をゴシゴシこすり
秀二に笑顔を見せる

「アヤコ様袖で拭かずこれで
拭いてください」

秀二は右ポケットから
真っ白いハンカチを手に取り
私の目元に優しく拭いてくれた

でもセイナを見ると
セイナの瞳はとても切なく見えた

まだ…セイナは秀二のこと
好きなのかもしれない……

そう思った瞬間
セイナは私たちに向かい
ニコリと笑みを見せ

「おめでとう」

と口を動かしていた

また私の涙が止まらなくなり
秀二に拭かれたハンカチが
濡れだす
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