ワタシの執事サマ
私はそんな顔が見られたくなくて
うつむいた

「申し訳ありません」

そう言って秀二は離してくれた

ウソ…
そんなのウソ…

本当はそのままでも良かった

もっと秀二の温もりを感じていたかった

「うそだよ…」

私は秀二に聞こえるか聞こえないか
ぐらいの大きさで呟いた

「お嬢様、何か言いましたか?」

「何にも言ってないわよ」

よかった
聞こえてなかったみたい

だけど少し残念…

「爪磨きのほうはどうなさいますか?」

「ああ、じゃあお願い」

そして爪磨きを再開した
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