ペテンな彼氏
 「・・・え?」


 低い声に、私は思わず後ずさる。さっきの姿はどこやら、ヤンキーを倒したときの様なあのオーラが漂っていた。

 「何、俺を振る、だって?おもしれぇ、やっぱ超気に入った」

 恭真さんがゆっくり私に近づいてくる。
 さっきの声とか口調とか全然違う。




 とても、・・・怖い。
 逃げなきゃ。・・・そう思ってるのに足が動かない。


 でも、そう思ってる裏には、逃げても捕まる、という恐怖が私を支配してた。


 「決めた、絶対落とす」


 そして恭真さんは、私を真上から見下ろす位置へと来て。


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