ペテンな彼氏
 そして俺はそのまま小学校なんてのに入った。

 ―「え、こんな事知らないの?」

 -「またあんたのパパママきてないんだね」

 散々言われて泣きながら帰っても誰もいない。

 夜遅く母親が帰ってきても俺のほうは見向きもしない。

 

 ・・・ただ幸せなのは携帯を与えてくれた事。

 俺はそれで暇を潰す様になり、漢字を知り、政治を知り、・・・何だかんだで成績は良かった。

 「それだけだな、幸せな事は。・・・まぁそれも母親が『今から帰るから部屋綺麗にしといて』とかの連絡手段・・・の為、だけだった訳だ」

 俺は自然と口が歪む。

 「出来るだけ男を惚れさせる、その利用する為に」
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