バケバケ2
私の不安を表情から察したシイが笑う。
「大丈夫、今日もなんとかなっただろ?」
「そうだけど…」
その時、クラスメイトの一人がシイの肩を叩いた。
「転校生、早速ナンパか?」
「いや…」
「櫻木…だっけ?俺、岡村。仲良くしてよ。」
「あぁ…」
岡村…去年も同じクラスだったな。
2組だったんだ。
岡村をきっかけに次々とクラスメイトがシイに話し掛ける。
「櫻木くんどこから来たの?」
「前の学校で何部だった?」
「え…えーと……」
シイが助けを求めるように私を見る。
私は視線を逸らした。
高校通うなら一言私に言ってくれればいいのに。
言わないシイが悪い。
よって無視。
ちょうど瑞穂たちが教室に入って来た。
「洋子ー、帰ろー。」
「うん。」
「何あれ?」
瑞穂がシイに出来た人だかりを指差した。
「転校生。」
「あぁ、あの噂の。」