バケバケ2
カーテンを開けると夏の日射しが窓から容赦なく射し込んでくる。
眩しくて目を細めた。
その日は夏休みの1日目だった。
パジャマからTシャツに短パン姿に着替えると、俺は部屋を飛び出した。
リビングで母が朝食を作っていた。
「おはよう。」
母が俺の前にトーストと目玉焼きの乗った皿を差し出しながら言う。
「おはよ。」
俺はいただきますと手を合わせ、朝食を食べ始めた。
俺の前には空の皿が置いてある。
俺の前の席はいつも父さんが使っているし、この皿は父さんのだろう。
「父さんは?」
「応接間。今日は大事なお客さんが来る日だから。」
「ふーん。」
俺の家はアンティークショップだ。
それもただのアンティークショップじゃない。
俺にはよくわからないが曰く付きの品ばかり扱っているらしい。