バケバケ2
「それで、こちらは坂本さんのお孫さんの時雨くん。」
坂本さんのとなりにいた少年と目が合う。
「はじめまして。よろしく、灰音くん。」
時雨が微笑む。
その瞬間、俺は冷水を頭からかけられたような、背中を針で何度も刺されたかのような、嫌な感じに包まれた。
見た目は俺と変わらない、ただの子供。
でもその中身は子供からどこか外れた、得体の知れない怖さを秘めていた。
こいつは危険だ、と俺の本能が言う。
こいつはおかしい。