バケバケ2
「灰音、時雨くんと遊んでおいで。」
父は俺にそう言った。
冗談じゃない、こんな得体の知れない変な奴と誰が遊ぶかと、そう思ったがそうもいかない。
父たちの商談に俺たちは邪魔なのだから。
「わかったよ。」
素直に父に従う。
「時雨…だっけ?行こう。」
俺と時雨は応接間から出て行った。
「灰音くん。」
外に出たところで、俺は時雨に呼び止められた。
「なんだよ。」
「今日僕の祖父が君のお父さんに持ってきたもの、なんだと思います?」
「知らねーよ、そんなの。どうせまたただのガラクタだろ?」
そう言うと、時雨は笑いながら言う。
「ガラクタ…ですか。そうですね、あれはガラクタですよ。」
「…?」
やっぱりこいつは変なやつだ。
俺たちはとりあえず外に出た。
外はかなり蒸し暑かった。