バケバケ2




「灰音、時雨くんと遊んでおいで。」


父は俺にそう言った。


冗談じゃない、こんな得体の知れない変な奴と誰が遊ぶかと、そう思ったがそうもいかない。


父たちの商談に俺たちは邪魔なのだから。


「わかったよ。」


素直に父に従う。


「時雨…だっけ?行こう。」


俺と時雨は応接間から出て行った。







「灰音くん。」


外に出たところで、俺は時雨に呼び止められた。


「なんだよ。」


「今日僕の祖父が君のお父さんに持ってきたもの、なんだと思います?」


「知らねーよ、そんなの。どうせまたただのガラクタだろ?」


そう言うと、時雨は笑いながら言う。


「ガラクタ…ですか。そうですね、あれはガラクタですよ。」


「…?」


やっぱりこいつは変なやつだ。








俺たちはとりあえず外に出た。


外はかなり蒸し暑かった。










< 106 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop