バケバケ2
その後、時雨は彼の祖父と共に帰って行った。
俺はなんとなく気になって、父がテレビを見ている間に応接間に忍び込んだ。
応接間のテーブルの上に、紫色の風呂敷に包まれた何かがあった。
多分これが時雨の言っていた姉妹鏡だ。
風呂敷を解くと、中から金色と銀色の縁の鏡が2枚出てきた。
俺はそのうちの金色の方の鏡を手に取る。
普通の鏡だった。
こんなのが災厄なんて起こすのだろうか。
俺は金色の鏡をテーブルの上に戻し、銀色の鏡の方を見た。
「!」
その時だ、何か不思議な感じがした。
その鏡をみた瞬間、俺の中に何かが走った。
こんなに鏡を綺麗だと思ったことはない。
見た目はただの鏡だ。
しかし、何かが俺を惹きつける。