バケバケ2
燕さんに連れてこられたのはさっきまでいたジェットコースターのあるお城の裏側だった。
たしかに、ここなら人気がない。
もしかしたら、シイはここに連れてこられたのかもしれない。
しかし、辺りを見回すがシイの姿はなかった。
もうこの園内にはいないのだろうか。
「ここにはシイいないみたい。別のところ探しに行くね。燕さんありが…」
ありがとう。と、そう言おうとして燕さんの方を振り返る。
燕さんは私を見下ろしていた。
蓋の開いた、真っ黒な箱を持って。
「…燕さん?」
私は訳が分からないまま、箱の中へと吸い込まれた。