バケバケ2




燕さんに連れてこられたのはさっきまでいたジェットコースターのあるお城の裏側だった。


たしかに、ここなら人気がない。


もしかしたら、シイはここに連れてこられたのかもしれない。


しかし、辺りを見回すがシイの姿はなかった。


もうこの園内にはいないのだろうか。







「ここにはシイいないみたい。別のところ探しに行くね。燕さんありが…」


ありがとう。と、そう言おうとして燕さんの方を振り返る。


燕さんは私を見下ろしていた。







蓋の開いた、真っ黒な箱を持って。







「…燕さん?」


私は訳が分からないまま、箱の中へと吸い込まれた。








< 117 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop