バケバケ2




✳︎✳︎✳︎





「どーなってんだよ!いねーじゃねぇか!」


「落ち着いてハイネ、きっと近くにいるはずよぅ。」


「まったく、あのアホはそこから動くなよって言ったのに…」






洋子から連絡をもらった俺とエレジーはにゃんだーランドまで来ていた。


しかし、洋子がいると言っていた場所には誰もいなかった。


「どこ行ったのかしらねぇ、洋子。」


「さぁな。でもこんな時のためにこれ用意しといてよかったわ。」


俺はポケットから携帯を取り出す。


「携帯なんて何に使うのよぉ。」


「まぁ、見てろって。」


俺は黒字に白文字で灰と書かれたアプリを起動する。


アプリの画面に人の名前が並ぶ。


俺はその中から坂本洋子の名前を選択した。


画面が地図に切り替わる。


「…なにそれ?」


エレジーが不思議そうに画面を覗き込む。


「俺の自作アプリ灰音サーチャーだ。」


「?」


「探したい人物を選択すると居場所を割り出してくれるアプリだ。…えっと、洋子はそこの奥にある建物の裏だな。」


「ただのストーカーアプリじゃない、捕まるわよ。」


「うるせーな、いいだろ?これで洋子が見つかるんだから。行くぞ!」


エレジーは何か言いたげだったが黙って俺の後ろを付いてきた。






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