バケバケ2
2.敷島
2.敷島
えらい目にあった…。
クラスメイトたちからようやく逃れ、とりあえず学校の外まで出てきた。
洋子は結局見つからなかった。
先に帰ってしまったんだろう。
さて、これからどうするか…
とにかく帰らなきゃいけない。
そのためには電車に乗らないといけない。
電車…
苦手だ。
人がいっぱいいるし、駅は迷路みたいだし…
でも、洋子のお母さんが定期券ってやつを買ってくれたから乗らないと…
「はぁ…」
ため息をつきながら駅まで歩き出す。
だから洋子と一緒に帰ろうと思ったのに…
朝は洋子のお母さんが車で送ってくれたから助かったけど。
諦めて一人で帰ろうとしたその時だった。
「よぉ!シイ!」
前から金髪の女を連れたボサボサ頭の青年が現れた。
…一番会いたくないヤツだ。
「……。」
「なんだよ、無視かよ!誰のおかげで高校生になれたと思ってんの?」