バケバケ2
2.洋子
2.洋子
「洋子パース!」
灰音が私に向かって黒い箱を投げる。
私はそれを受け取り、表面を手でなぞる。
黒い箱はさらさらと砂になり消えていった。
隣で消えていくバケバコを見ていたシイがつぶやく。
「これで25個目…バケバコもあと一つだな。」
「そうだね。」
あと…一つ…。
あと一つバケバコを壊せば、本当に全部終わり。
長かったけど、ようやく終わるんだ…。
「よーし!打ち上げいくぞ、打ち上げ!!」
灰音とエレジーは嬉しそうにはしゃぎ回っている。
「せっかくだし、千秋と燕も呼ぶかー!あと敷島も…」
ポケットから携帯を取り出す灰音。
「敷島?あいつ千葉に帰ったんじゃなかったのか?」
「今はこっちに遊びに来てるみたいだぞ。最後の一個のバケバコ探し手伝ってもらってるんだよ。」
「そうなんだ。」
灰音が電話を掛け始める。
「あ、もしもしー?灰音だけど、千秋たち今ヒマ?」