バケバケ2
「あぁ、敷島は俺の後輩だよ。」
「そうですか。…うーん。」
千秋は首を捻る。
「どうかしたの?」
私が尋ねると千秋は首を捻ったままで、「どこかで聞いたことある名前だと思って。」と、答えた。
「あー、あいつバケバケが見えるからな。それでじゃね?」
「うーん…それだけじゃなかったような…」
「お待たせしました。オムライスのお客様ー。」
「はいはーい!俺のー」
灰音が嬉しそうに手を挙げる。
先程注文を取ったウェイトレスが料理をテーブルに置く。
「それにしても、あとバケバコ一個かー!長い戦いだったー!」
灰音はオムライスにタバスコをかけながら上機嫌だ。
「そもそもお前があんなもの作らなきゃこんな面倒なことにならなかったんだぞ。」
「…冷たいなー、シイは。」
料理が全員分、次々に運ばれて来た。
「とりあえず、最後のバケバコを早く探さないとな。」
「あ、それなら僕情報手に入れたよ。」
「え?」
千秋は自分のリュックからクリアファイルに挟まった数枚の資料をテーブルに広げた。
「見てよ、これ。怪しくない?」