バケバケ2
こいつは神崎灰音。
神崎アンティークショップの店長で、自称バケバケの研究者。
この上なく胡散臭い男だ。
灰音は洋子の学校の関係者に客がいるらしく、そのコネで俺は高校に転入出来た。
その点は灰音に感謝している。
だが…
「シイ1人?洋子は?同じクラスになるように手を加えといたけど…一緒じゃないの?まさか置いてかれた?」
「…うるさい。」
灰音は楽しそうに続ける。
「あ、フラれたんだー。てか俺ん家来いよ!語ろう!」
灰音が俺の腕を引く。
だから会いたくなかったんだ。
こいつ、話すだけでイライラする。
「ハイネぇ、もう家帰るの?」
灰音の隣にいた金髪の女が灰音の服の裾を引っ張った。
この女はエレジー。
鏡のバケバケであり、灰音のパートナーだ。
「せっかく面白いヤツ発見したんだ。家に連れ込むしかないだろう。」
灰音は俺を自分の家の方角に引っ張って行こうとする。
「そうねぇ、ちょうど暇だったし…いいわ!」
エレジーが微笑む。