バケバケ2
俺たちは店の奥の部屋まで連れて来られた。
奥の部屋には高そうなソファとガラスのテーブルがあり、ソファには男女が座っていた。
黒髪のホスト風の整った顔の青年と、ゴスロリ調の黒い服に身を包んだ幼い顔の見覚えのある少女。
「困るな、君。うちの店の大事な女の子に手を出してくれちゃって。」
青年は左手に持ったグラスに口をつける。
グラスをゆっくりとテーブルに置き、青年は俺と燕を囲むように立っている黒スーツの男達に言った。
「君たちは下がっていいよ。」
男達は部屋から出て行った。
「それで、こいつらここまで呼んだけどどうしたらいい?」
青年は隣の少女に尋ねる。
「こいつらにはここで消えてもらう。」
少女の黒目がちの瞳が俺たちを捉えた。
「やっぱりな。お前が絡んでると思ったよ…カナリア。」