バケバケ2
「どうして来たの?もう遅いって言ったのに。」
カナリアは不思議そうにじっと俺たちを見つめていた。
「お前やシグの目的はなんだ?」
「教えないよ。」
「まぁいい。とりあえずバケバコを渡してもらおうか。」
「嫌。」
「カナリア…彼らは君の知り合いかな?」
隣の青年はカナリアに問いかける。
「知り合い?そうだね。彼らは私たちの敵だよ。」
彼女の言葉に青年は頷き、ゆっくりと立ち上がった。
「残念ながらあの箱は渡せない。あれはシグのものだ。シグは僕たちに理想の世界をくれる。その邪魔は誰にもさせないよ。」
「理想の世界…?」
「さて、この場所で騒ぎを起こせば一般客や店の女の子たちを巻き込んでしまうかもしれない。」
青年は部屋の奥にある扉を開けて手招きした。
「場所を変えよう。」