バケバケ2
俺と燕は青年の後について行った。
罠かもしれない。
けれど、この男の言う通り一般の人を巻き込む訳にはいかない。
青年は巨大な倉庫の前で立ち止まり、俺と燕を中に招き入れた。
中は薄暗く、何に使うかわからない資材などが山積みになっていた。
青年は近くにあった資材の上に腰を下ろした。
「君が灰音くんでしょ?僕はアオギリ。話はシグから聞いているよ。」
「……」
「バケバコ作ったの君なんでしょ?すごいよね。」
「早くバケバコを渡せ。」
「それからその隣の彼は燕くん?あの有名な中森家の執事で人間でありバケバケでもある…シグにそっくりだね。」
「そんな話はどうでもいいだろ…バケバコを」
「君たちと交渉がしたいな。」
「交渉…なんだよ?」
「僕たちと組まない?一緒に理想の世界を作ろうよ。」