バケバケ2
アオギリは俺に向かって手を伸ばす。
「馬鹿じゃねーの?俺はもう繰り返したりしない。もうバケバコには関わらない。」
「交渉決裂か。いいよ、後悔するのは君なんだから。」
アオギリは自分の指を鳴らす。
パチンと音がしたあと、火の玉が俺の方へ飛んできた。
「……灰音、危ない!…」
燕が俺の目の前に壁を作り出す。
「ありがとう、燕…」
「あの男…バケバケのようだな。」
「そうだな。」
「…相手は遠距離攻撃型…俺たちだけではかなり不利だ……」
「カナリアの方は戦闘向きの能力じゃない。なんとかしてあの火の玉野郎の方を先に倒さないとな。」
アオギリが手をかざすと次々と火の玉が現れ、指を弾くと同時にこちらに向かって飛んでくる。
「僕はね、元は売れないホストのライターだった。彼のNo.1を目指したいって野望から僕は生まれたんだよ!」
火の玉をかわしながらなんとかアオギリに近づこうとするが、数が多すぎてなかなか近づくことはできない。
「そして彼はNo.1になった。でも、それは僕との別れも意味していたんだよ。1人になり、消えようとしていた僕を救ったのはシグだった。」
火の玉が俺の横を通り過ぎる。
髪の端が焼けてパラパラと舞う。