バケバケ2








「……え?」









壁の向こう側にいたのは金髪に青い目をした少女…






「エレジー…」







エレジーが微笑む。


「馬鹿だね、灰音くんは。」


エレジーの蹴りが俺の鳩尾に入る。


「…っ!!!」


俺の体は宙に浮かび、背後の資材にぶつかり崩れ落ちた。


骨が折れる音がした。


「灰音…!大丈夫か…?」


燕が俺に駆け寄る。


「どうしてエレジーが…」


「しっかりしろ、灰音!あれはエレジーじゃない…カナリアの能力で化けたアオギリだ!」


燕の背後にエレジーの姿のまま近寄るアオギリが見える。


「燕…後ろ…」


「…?」


燕は振り返りアオギリの蹴りを素早く受け止める。


「僕の能力が遠距離攻撃だけじゃないことを教えてあげる。」


アオギリが指を鳴らす。






目の前が真っ白になる。


爆音と共に飛ばされた燕は気がつけば俺の隣に倒れていた。


「燕!」


「ほんと馬鹿だね、灰音くん。大人しく僕らの仲間になれば良かったのに。」


アオギリが俺に近づき鳩尾に何度も蹴りを入れた。


「うっ…」


「もうお終いだよ。もうすぐ理想の世界ができるんだ。君に見せてあげられなくて残念だよ。」






約束したのに。


エレジーとずっと一緒に…






アオギリはエレジーの姿のまま笑顔で手を振る。






「ばいばい、灰音くん。」








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