バケバケ2
「人間としての生活は。」
「ん…あぁ、悪くはない。」
「よかったじゃん、お前悩んでたみたいだけどさ、結果洋子と結ばれたみたいだし。」
「……。」
今から半年ほど前、俺は洋子に好きだと言われた。
俺も洋子が好きだった。
10年間ずっと思い続けてきた。
だから死ぬほど嬉しかった。
だけど…
「何だよ、黙って。洋子とうまくいってないの?」
「いや、いつも通りなんだ。」
洋子とうまくいってないどころじゃなかった。
何も始まっていないのだ。
お互いに好きだと言って、それだけ。
何の進展もない。
全く変わらない関係。
好きだと言っただけで付き合ってもいない。
そもそもどういう意味で洋子が俺に好きだと言ったのかもはっきりしていなかった。
もしかしたら友達として好きって言っただけかもしれない。
現にその前に俺は洋子に友達宣言をされている。