バケバケ2




エレジーの姿が消える。


「エレジー!」


俺はエレジーに手を伸ばす。


あと少し…もうちょっとで手が届く。






エレジーの指先が触れた。






俺はエレジーの手首を掴み、引いた。


バケバコにカナリアとエレジーの出した龍が飲み込まれていく。


俺はエレジーと、少し離れた場所からただそれを見ていた。






全てを飲み込んだバケバコは、俺とエレジーから数メートル離れたところに落ちた。


何事もなかったかのように、そこにあった。


男がそれを手に取る。


「やった…これで理想の世界が…」


男はバケバコを掲げる。


「理想の世界が……!!」






そして男は突然俺たちの前で鮮血とともに、崩れ落ちた。


何が起こったのか、全くわからなかった。





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