バケバケ2
それを灰音に話すと、灰音は奇妙な笑みを浮かべたまま頷いた。
「洋子も同じこと思ってるかもよ?」
「?…どういう意味だ。」
「さぁ?自分で考えてみろよ。」
「……。」
ちょうどその時、エレジーがお茶を持ってきて入ってきた。
「はい。」
エレジーが俺の前にお茶を置く。
「ありがとう。」
灰音と自分の分のお茶をテーブルに置き、自分も灰音の隣に座りながらエレジーは言った。
「そういえば…入り口のところに誰かいたわよぅ?」
「入り口?…店の?」
エレジーが頷く。
「おかしいな、店は今日閉じといたんだけど…」
灰音が顔をしかめる。
俺は灰音が働いている姿を見たことがない。
まずこの店が営業していたことに驚きだ。
灰音はいつもフラフラ出歩いてるし、店が開いているところも見たことない。
「仕方ねぇな。」
灰音が渋々立ち上がる。