バケバケ2




それを灰音に話すと、灰音は奇妙な笑みを浮かべたまま頷いた。


「洋子も同じこと思ってるかもよ?」


「?…どういう意味だ。」


「さぁ?自分で考えてみろよ。」


「……。」







ちょうどその時、エレジーがお茶を持ってきて入ってきた。


「はい。」


エレジーが俺の前にお茶を置く。


「ありがとう。」


灰音と自分の分のお茶をテーブルに置き、自分も灰音の隣に座りながらエレジーは言った。


「そういえば…入り口のところに誰かいたわよぅ?」


「入り口?…店の?」


エレジーが頷く。


「おかしいな、店は今日閉じといたんだけど…」


灰音が顔をしかめる。






俺は灰音が働いている姿を見たことがない。


まずこの店が営業していたことに驚きだ。


灰音はいつもフラフラ出歩いてるし、店が開いているところも見たことない。






「仕方ねぇな。」


灰音が渋々立ち上がる。




< 17 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop