バケバケ2
「洋子…?」
聞き覚えのある声に前を見ると、私の家の前にシイが立っていた。
「シイ?」
「ちょうど今お前の家に行くところだったんだ。…今、時間あるか?」
私が頷くと、シイはほっとしたような顔で少し歩こうと言った。
近くの公園まで来た私たちはベンチに腰を下ろした。
「さっき、どこ行ってたんだ?」
「…灰音のところに。」
「そうか…灰音は何か言ってたか?」
私はシイにさっき灰音が話してたことを伝えた。
「…だから、シイはもう自分を責めることはないって…」
「でも、俺がエレジーを殺したことには変わりない。」
「……私のせいだよね。シイは私を守るために…」
「洋子のせいじゃないよ。俺は自分で選んで決めたことなんだから。」
「でも…」
「洋子、聞いてほしいことがあるんだ。」