バケバケ2
そう言うと、シイはすぐに私から視線を外す。
ベンチに置いた私の手に、シイの手が重なった。
「あの…えっと…」
突然の出来事に言葉が出てこなかった。
「俺は自分勝手で、いつも自分のしたことに後悔してる。今回だってそうだ。もう嫌なんだよ、どうしたらいいか分からなくて…」
こんな表情をしたシイを初めて見た。
シイはずっと1人でいろんなことに耐えて来たんだろう。
きっと私の知らない所でたくさん傷ついて来たんだろう。
「洋子…俺はどうしたらいい?」
そう私に尋ねるシイの顔はいつものような大人びた表情ではなくて、なんだか子供みたいで。
「俺、もう自信がないんだ。こんなことになって……」
気が付いたら私はシイの頭を撫でていた。
「…洋子?」
「上手く言えないけど…シイが自分で決めたことなんだから自信持ちなよ。」