バケバケ2




『こんばんは、早月です。

突然連絡してごめんなさい。
ずっと仲良くなれたらな、と思っていました。
たまにメールだけでもいいので、やり取りしたいです。』


早月くんからだった。


別のことで頭がいっぱいで、すっかり忘れていた。


何て返信しようか…。





とりあえず無難に『よろしくお願いします。』とだけ書いて送信し、ベッドに寝転んだ。


シイの横顔、灰音の言葉、病室で見た手鏡…


いろんな出来事が、場面がごちゃごちゃになって頭の中を掻き回す。


この状態をどうすることも出来ない私に出来ることはたった一つ。


最後のバケバコを探し出して壊すことだけ。


バケバコが壊せたら、きっとシイも灰音もいつもみたいに戻る。







そう信じて、私は眠りについた。







< 179 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop