バケバケ2
2.宿敵
2.宿敵
「え?早月くんのことが知りたい?」
俺が頷くと秋山瑞穂は明らかに嬉しそうな顔をした。
「洋子に直接聞けばいいじゃない。」
「それができないからこうして聞いてるんだろ。」
「早月くんは顔もいいし、頭もいいし、運動神経も抜群だし、背も高いし、まさに非の打ち所がない人だよ。」
「……そんなやつがなんで洋子に?」
「洋子結構人気あるからなー、本人が気がついてないだけで。」
「そうなのか。」
「桜木さ、洋子が好きなんでしょ?」
「え?」
「早くしないと取られるよ。」
「……。」
「じゃあ、私はそろそろ部活行くから。」
秋山は席を立ち、荷物をまとめて教室を出て行った。
昨日の朝、洋子と早月が教室前で話をしていた。
盗み聞きするつもりはなかったが、少し会話が聞こえてしまった。
土曜日にでかけるとか。