バケバケ2
翌日、俺はまた教室前で洋子と早月が話をしているのを見た。
俺はすぐに教室に入った。
早月隼人…
彼がどんな人物かも気になる。
今日の体育はたしか早月のいるクラスと合同のはずだ。
俺は独自に早月のことを調べてみることにした。
5限。
「桜木が体育出るなんて珍しいな。」
岡村が俺の隣に座る。
彼は俺が転校して来た時から積極的に話しかけてきたやつだ。
ちょっとバカではあるがいいやつだ。
「そうだな、初めて出たかも…」
俺は体育の授業は全く出ていなかった。
数学などの教科は一通り勉強していたが、人間のスポーツのルールは全く知らなかったからだ。
でも今回は早月を知るためだ。
それに今日の種目はバスケと聞いた。
洋子に以前聞いたことがある。
バスケはたしかあのネットのようなところに玉を入れるだけだ。
その他のルールは大体今他の奴らが試合をしてるのを見て覚えた。
ちょうど今試合をしているのは早月だ。
体育館の外から女子たちが早月の様子を覗いている。
女子は外でソフトボールのはずなのに。
覗きに来ている女子たちの中に洋子がいないことに気がつき、少しほっとしながら早月を見た。