バケバケ2






長身の早月はかなり目立っていた。


積極的に点を取りに行っている。


試合中は終始爽やかな笑顔を振りまき、チームメイトに声をかけ、いい雰囲気を作りながら試合に挑んでいた。


「早月、すげーよな!」


岡村が目を輝かせる。


「あいつ帰宅部なんだけどさ、運動神経めちゃくちゃいいから色んな部活の助っ人やってるんだよ。」


「ふーん。」


「頭もいいし、顔もいいし、家もお金持ちらしいぞー!俺もあんな風になれるかな。」


残念ながらお前には無理だ。と、思ったが口には出さず、早月の観察に集中した。


岡村は早月のファンなのかぺらぺらと早月のことを話している。







早月は特待生でこの高校に入学。


入学式では生徒代表として壇上で挨拶をし、それが学校中で有名になるきっかけを作った。


最初のテストで学年1位をとり、模試ではこの辺りでは1番レベルの高い大学のA判定を取る。


もっといい大学にもいけるようだが、県外に出るつもりはないらしく、その大学を受験するらしい。


身長は183センチ、モデルにスカウトされたこともあるらしい。


この学校で告白された数はもう分からないくらい多く、しかしいずれも好きな人がいるからと断っている。


「すごいよなー、なんで誰とも付き合わないんだろうなー。」


「そうだな。」


きっと好きな人っていうのは洋子のことだろう。


こいつがもし洋子に告白したらどうなるんだろうか。




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