バケバケ2
放課後。
クラスの女子や岡村から情報を入手した俺は、早月の跡をつけることにした。
早月の家は学校から近いところにあるので、早月は徒歩で通学しているらしい。
早月が学校を出たのを確認し、俺も学校を出た。
早月に気がつかれないように後ろからついて行く。
早月は特に寄り道することなく真っ直ぐ家に向かっているようだった。
特に何か変わったことをしている様子はない。
もう帰ろうかと思ったその時だった。
「もうやめてくれ…」
誰もいないところで、早月はぽつりとそう言った。
なんだ、今の…独り言か?
物影から早月を見る。
「俺は、完璧でいなくちゃ…」
また…一体誰と話してるんだ?
よく見ると、早月の前に子供が立っていた。
5歳くらいの男の子…
気がつかなかった。
誰なんだあの子供。