バケバケ2
フードコートを出た後、早月くんの強い希望でふれあい広場に向かうことになった。
ふれあい広場とは、やぎやモルモット、ウサギなどの動物を触ったり、エサをあげたりできる場所だ。
「坂本さん、見て!」
真っ白なウサギを抱きかかえて私の方へ見せる早月くん。
「わぁ、かわいい!」
触ると温かかった。
「あっちで犬と猫も触れるよ!」
早月くんが私の手を引く。
早月くん茶色い縞模様の猫を抱いて、膝の上に乗せてベンチに座った。
「この猫…あの時の猫に似てる。」
猫を見つめ、早月くんはそう言う。
「あの時?」
「学校の近くにいた子猫…たぶん、飼えなくなって誰かが捨てたんだ。ほら、坂本さんもエサあげてたでしょ?」
「あぁ!」
私は1年の頃見つけた猫を思い出した。
まだ生まれて間も無く、小さくて必死に鳴く猫。
私の家では飼えないけど、放っておけなくてエサだけあげに行っていた。
「俺もさ、エサあげにいってたの。そしたら坂本さんがエサあげてるの見つけて…それで坂本さんを知ったんだ。」
「そうだったんだ。」