バケバケ2





男の子の目から涙が落ちる。


「お兄ちゃん、僕は強くならなくちゃ。だっていつでも完璧じゃなくちゃいけないから。」


男の子は涙を拭いながら早月くんに近づく。


「でも僕は、僕は…完璧になんてなれないよ。」







早月くんから笑顔が完全に消えていた。


「早月くん…?」


さっき、早月くんはこの子供が見えるのかと私に聞いた。


この子供は…もしかしてバケバケなの?








「お兄ちゃん、僕は強くなるよ。」


男の子は私に向かって手を伸ばした。


「このお姉ちゃんの力があれば…」








< 197 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop