バケバケ2
男の子の目から涙が落ちる。
「お兄ちゃん、僕は強くならなくちゃ。だっていつでも完璧じゃなくちゃいけないから。」
男の子は涙を拭いながら早月くんに近づく。
「でも僕は、僕は…完璧になんてなれないよ。」
早月くんから笑顔が完全に消えていた。
「早月くん…?」
さっき、早月くんはこの子供が見えるのかと私に聞いた。
この子供は…もしかしてバケバケなの?
「お兄ちゃん、僕は強くなるよ。」
男の子は私に向かって手を伸ばした。
「このお姉ちゃんの力があれば…」