バケバケ2





「隼人、どこへ行くの?宿題は終わったの?」


「終わったよ。これから友達と公園で遊ぶんだ。」


「ダメよ。宿題が終わったら勉強しなさい。」


「でも……」








「貴方は完璧でなくてはいけないのだから。」










これは…?


早月くんの記憶…?







眼鏡をかけた厳しそうな女の人は何度も幼い早月くんを叱りつけた。


早月はそれに頷くだけだった。


部屋に戻った早月くんが机に向かうと、部屋に男の人が入ってきた。


「お父さん?」


「隼人、この間のテスト…なんだこの点数は。」


早月くんのお父さんは何度も早月くんを殴った。






お父さんが部屋から出て行ったあと、ボロボロの早月くんは1人部屋の真ん中に倒れていた。


ゆっくり起き上がり、自分で傷の手当てをし、机に向かい勉強を始めた。


涙も流さず、何事もなかったかのように。






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