バケバケ2




「お兄ちゃん、誰…?」


「誰でもいいだろ。お前こそなんなんだよ。」


「僕は、隼人。僕は強くならなくちゃいけないの。」







隼人…やっぱりこいつは早月が作り出したバケバケだ。


本人が気がついてないせいもあるが暴走し始めてる。


「僕は完璧にならきゃ…!」






バケバケが腕を動かすと、黒い針のようなものがこちらに向かって飛んできた。


全部まではかわしきれず、数本が足に刺さる。


しかし全く痛くない。


助かった…攻撃タイプのバケバケではないようだ。






それにしても…まだやっぱり体が動かしづらい。


早くバケバケの体に慣れないと…それに、手に入れた能力がどんなものかも分からない。


人間からバケバケになったのなんて初めてだし、元の能力と同じものかもわからない。


とりあえず慣れないと…







「僕は…強くなるんだ!」


バケバケの手から再び黒い針が放たれる。


さっきの攻撃と軌道は大体同じ…これならかわせる…!







しかし、おれの足は全く動かなかった。


「どうして…」


まさか、さっき足に刺さった針が…






考える間も無く、針が上半身を貫く。


やはり痛みはないが、今度は上半身が動かない。


「これで…終わりだよ。」


バケバケはさっきより太い針を手に俺に近づいてくる。


「クソッ…‼︎」


体が動かない…


バケバケの針の先がこちらを向く。


「ばいばい。眼鏡のお兄ちゃん。」







「桜木くん…!」







「…⁈」







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